札幌支店 売上要因分析

札幌支店 売上要因分析

― 2026年4~6月の売上好調は、今後も続くのか。2027年3月までのシナリオ予測 ―

作成日:2026年7月9日

対象データ:契約一覧(要因分析 2024年1月~/季節分析・予測 2021年1月~2026年6月)、リショップナビ紹介案件データ(2024年1月~2026年6月)

データを入れ、AIで分析し、レポートにするまでの流れの図
このレポートは、契約データをAIで集計・分析し、人が確かめてまとめたものです。最後に判断したのは人です。

本レポートの構成 ― 最初に地図を▲ 先頭へ

このレポートは、まず結論を書いています。「まとめ」だけ読めば結論がわかります。その先は「本当かどうか」を確かめたい人向けの説明です。

図00
図0:このレポートの流れ。5つのステップで読めます。
内容(ひとことで)
第1章 はじめになぜデータで見るのか
第2章 分析する意義なぜ感覚ではなくデータで確かめるのか
第3章 予測する意義予測は当てるためではなく「比べる相手」をつくるため
第4章 先に結論好調は「たまたま」ではない(先に答え)
第5章 5つの発見 ― 感覚と事実のズレ分析しなければ、5つとも逆に理解していた
第6章 売上・件数・単価2億364万円・前年比+66.9%という事実の確認
第7章 どの経路から来たか2026年4-6月の売上構成を円グラフで確認
第8章 3つの疑いを検証大型案件? 景気? 前年の反動? → すべて否定
第9章 2つのエンジンと1つの追い風何がいくら押し上げたか(OB客・自社HP・新チャネル)
第10章 二段ロケットの構造1段目(出会い)×2段目(OB化)。経路別の実測と利益率
第11章 どこで売れたのか戸建と地域の広がり。遠くても売れる理由
第12章 お客様とどう出会うか当社の集客は3つに分かれる。外部に任せる利点と弱点
第13章 ネット集客の性格5つの経路は同じではない。数で伸びる経路と単価で伸びる経路
第14章 売上の方程式弱点の直視:マッチングサイト依存とその備え
第15章 リショップナビで実測案件数は横ばい。伸びたのは成約率と単価=現場の実力
第16章 冬と季節のリズム冬(12~2月)の谷と、本当の実力の見方
第17章 月の中の売上配分月初30%・月中30%・月末40%。差がつくのは20日まで
第18章 3つのシナリオ予測楽観6.7億/標準6.4億/悲観5.8億円(前年度比+31~50%)
第19章 予測はどれくらい当たるか過去に立って答え合わせ。年間誤差2%
第20章 ビック札幌の分析下請でリピートが生まれず、利益が積み上がらない構造
第21章 まとめと大切にしたいこと会社として大切にする5つの考え方

第1章 はじめに ― なぜこの分析を行ったのか▲ 先頭へ

この春、札幌支店の4~6月の売上は、これまでにないほど伸びました。うれしい結果です。ですが、ここで一度立ち止まって、確かめたいことが2つあります。

① 何が良くて、売上が伸びたのか② 好調な数字に隠れて、見落としている悪い要素はないか

①がわかれば、その取り組みをもっと伸ばせます。②がわかれば、今のうちに手を打てます。

逆に、①と②を分けて調べないかぎり、手元に残るのは一人ひとりの数字と、それを足し合わせた全体の数字だけです。そうなると、伸びた理由も落ちた理由も、ややもすると担当者個人の好不調として片づけられてしまいます。どこが伸びて、どこが弱かったのかが見えないまま、次の月に入ってしまう。これでは、売上は個人に依存したままで、会社の取り組みとして何に力を入れるべきかを決められません。

感覚と事実のズレを表した図
感覚のままで動くと、力の入れ先が的を外します。だからこのレポートでは、契約データで確かめました。

そこでこのレポートでは、契約データを集客の経路別・地域別・月別に分けて、売上が伸びた理由と、その裏で弱っている部分を調べました。そのうえで「この好調はこれからも続くのか」を予測しています。冬(12~2月)に売上が下がる札幌の特徴も、計算に入れています。

まとめた数字だけを見ていても、好調・不調の判断は人の感覚に頼ることになり、次の一手にはつながりません。

使ったデータ

  • 要因分析:2024年1月~2026年6月の契約 1,186件
  • 季節分析と予測:2021年1月~2026年6月の契約 2,420件
  • リショップナビ紹介案件データ:2024年1月~2026年6月の依頼 532件(第15章の実測検証で使用)

なぜ感覚ではなくデータで確かめるのか。その理由は第2章で説明します。

この数字に、意図や願望は入っていません

契約データの数字は、集計したそのままの事実です。誰が計算しても同じ答えになります。売上の予測も、「こうなってほしい」という願いではなく、過去5年半・66か月分の実際の動きをもとに計算しました。誰か1人の気持ちで数字が変わることはありません。だからこそ、良いことも悪いことも素直に受け止めて、次にやるべきことを迷わず考えられます。

ポイントこのレポートの数字は、こうなってほしいという願望や思い込みで作ったものではありません。実際の数字を集計し、理由を示せる見積もりだけで作っています。

第2章 分析する意義 ― なぜ感覚ではなくデータで確かめるのか▲ 先頭へ

感覚だけで判断すると、事実と逆に理解してしまうことがあります。データで確かめるのは、そのためです。第5章では、実際にそうだった5つの例をご覧いただきます。

ひとかたまりの数字を分けて見る図
分析とは、ひとかたまりの数字を「意味のある単位」に分けることです。分けて初めて、どこを強めるかが決められます。

分析でできることは3つ

  • ① 勘違いを防げる ― 印象ではなく数字で確かめられます。第5章でご覧いただく5つが、その実例です
  • ② 次の一手がわかる ― 「誰が・どの経路で・いくら増えたか」まで分解できるので、何を強めればよいかが見えます
  • ③ 全員の共通言語になる ― 部署や立場が違っても、同じ数字を見て話せます

分析しないと、どうなるか

分析をしないと、データは漠然とした数字の塊にしか見えません。売上が上がっても下がっても、その理由までは分かりません。

場面分析がないと分析があると
売上が伸びたなぜ伸びたか分からない。同じことをもう一度できないOB客+4,696万円、自社HP+2,343万円と要因がわかる
売上が落ちた誰かの責任にしてしまいがち季節のせいか、実力の低下かを切り分けられる
会議で意見が分かれた判断のよりどころがない同じ数字を見て話し合える
新しい取り組みを始めた効果があったのか分からない施工事例が約9か月で効き始めたと確認できる

いちばん大きな違いは、仕事の流れが変わること

分析がないと、日々の仕事をこなし、締めてから数字を知る、という流れになります。数字は、終わったことの報告です。

分析があると、どこを伸ばすか、どこに気をつけるかを全員が意識しながら仕事を進められます。数字は、進む方向を示すコンパスになります。

同じ人が、同じ時間だけ働いたとしても、向かう先がそろっているかどうかで結果は変わってきます。

ポイント数字は、終わったことの報告にもなれば、これから進む方向を示すコンパスにもなります。どちらになるかは、分析するかどうかで決まります。
分析の有無で数字が報告にもコンパスにもなることを表した図
分析がないと数字は終わったことの報告になり、分析があると進む方向を示すコンパスになります。向かう先がそろうと、結果も変わります。

ただし、数字だけでは足りません

数字は「何が起きたか」しか教えてくれません。「なぜそうなったか」は現場が知っています。

  • 訪問販売が急に減った理由 ― 数字だけでは「不振」に見えました。担当をWeb部隊へ異動させたという現場の情報で、意図的なものだと確定しました
数字が方向を示し、現場が答えを決める。この組み合わせが一番強いです。
分析と現場それぞれの見え方を表した図
分析で見えるのは傾向までで、その理由は現場が知っています。どちらか一方では足りず、合わせて初めて確かなことが言えます。

分析は「正解を出す道具」ではありません

分析には、比べ方や集計の条件を決める場面があります。そこには人の判断が入るため、条件を変えれば結論が変わることもあります。

  • 実際にこのレポートでも起きました ― 経路別のOB化率は、最初「訪問販売が最も優秀」という結果でした。しかし出会ってからの期間を揃えて計算し直すと、順位が大きく変わりました(第10章)

だからこそ、このレポートは対象期間や集計の条件を本文に書いています。前提が書いてあれば、誰でも計算をたどり直せますし、「その比べ方はおかしい」と指摘できます。

ポイント分析の値打ちは、正解を出すことではありません。全員が同じ事実の上で話し合い、変化や異変に早く気づける状態をつくることです。

第3章 予測する意義 ― なぜ先の数字を出すのか▲ 先頭へ

このレポートの後半(第18章)では、2026年度の売上を「楽観・標準・悲観」の3つで予測しています。

予測と聞くと、まず「それ、当たるんですか?」と思うかもしれません。もっともな疑問です。ですが、この予測は当てるために作ったものではありません。

予測は「ものさし」です

予測は、当てるためではなく、比べるためにあります。比べる相手がないと、今の数字が良いのか悪いのか分かりません。

たとえば、今月の売上が5,000万円だったとします。この数字だけを見て、良かったのか悪かったのか分かるでしょうか。分かりません。

5,000万円が良い月なのか悪い月なのかは、比べる相手があって初めて決まります。予測とは、その「比べる相手」を先に用意しておくことです。

予測がないと、どうなるか

身近な場面で比べてみます。

こんなとき予測がないと予測があると
1月の売上が2,000万円だった「今月は悪い」と落ち込む。原因探しが始まる。対策会議を開いてしまう。1月は例年いちばん低い月。予測どおりなら問題なし
15日時点の進捗が低い「遅れている」と焦って無理をする20日までの積み上げで決まると分かる
冬に売上が下がった慌てるべきかどうか分からない8,200万円を下回ったら黄色信号、と決めてある
会議で今年の調子を話す人それぞれの感覚で言い合いになる全員が同じ数字を見て話せる

予測がないと、数字が動いても「たまたまなのか、まずいのか」が分かりません。判断が人によってばらつき、気づくのが遅れ、手を打つのも遅れます。

いちばん困ること予測がないと、悪くなっていることに気づけません。同じように、良くなっていることにも気づけません。

「目標」と「予測」は別のものです

ここで、よくある疑問にお答えします。「年間の目標を決めて、12で割れば月の目標になる。それで十分では?」というものです。

たしかに目標は必要です。ただし、目標と予測は役割が違います。

目標予測
意味こうする(意思)こうなりそう(見通し)
決め方経営が決めるデータから計算する
使い道全員の向かう先を決める進捗が正常か判断する
外れたとき挽回策を打つ前提を見直す

目標があるから、全員が同じ方向を向けます。予測があるから、今のペースが順調かどうかが分かります。どちらか一方では足りません。

目標はそのまま使ってください。このレポートの予測は、目標に取って代わるものではなく、目標に向かう途中で「今どのあたりにいるのか」を教えてくれる道具です。

天気予報と売上予測を並べた図
降水確率で気にするのは、当たるかどうかではなく、傘を持つかどうかです。予測の値打ちも、それを見て行動を変えられるかどうかにあります。

天気予報と同じです

降水確率60%と聞いたとき、私たちが気にするのは「当たるかどうか」ではありません。傘を持って出るかどうかを決めます。

予測の値打ちは、当たった外れたではなく、それを見て行動を変えられるかどうかにあります。

この予測の3つの使い方

  • ① 早く気づくために ― 冬(12~2月)の合計が8,200万円を下回ったら黄色信号、と先に決めてあります。線を引いておけば、「季節のせいで下がったのか」「実力が落ちたのか」を迷わず切り分けられます
  • ② 月の途中で判断するために ― 月の成績は20日までの積み上げでほぼ決まります。物差しがなければ、毎月半ばで一喜一憂することになります
  • ③ 全員が同じ言葉で話すために ― 「今年は良い」「悪い」を人それぞれの感覚で語らず、同じ数字で話せます

外れても意味があります

この予測は「施工事例の更新を止めない」「マッチングサイトからの案件数が今の水準で続く」という2つを前提にしています。大きく外れたら、どちらかの前提が変わった合図です。何が変わったのかを探せば、次の手が見えてきます。

ポイント予測は占いではなく、道具です。当たった・外れたで終わらせず、「なぜそうなったか」を考える材料にしてください。

第4章 先に結論▲ 先頭へ

結論今回の好調は、単発の偶然だけでは説明しにくい結果です。数年かけて育ててきた「OB客づくり」と「自社ホームページの施工事例」が、同時に実を結んだ結果です。

要点は6つ

  • 売上は約1.7倍。2026年4-6月は2億364万円(前年同期は1億2,199万円)。件数も単価も伸びました。
  • 一番の理由はOB客。前の年より+4,696万円。お客様が離れるどころか、戻ってくる間隔が短くなっています。
  • 2番目は自社ホームページ。2025年1月に始めた施工事例が、約1年かけて軌道に乗りました(+2,343万円)。
  • 2026年度の見通しは約6.4億円。標準シナリオ(確率50%)。楽観6.7億円(25%)、悲観5.8億円(25%)。
  • 悲観でも前年度を上回ります。前年度実績は約4.4億円でした。
  • ただし条件があります。施工事例の更新を止めないこと、OB客フォローを仕組みにすること。この2つが止まれば1年後に失速します。
弱点も直視します売上の約3分の1はマッチングサイト経由です。その案件数は、当社ではコントロールできません(第14章で検証)。

なぜこう言い切れるのか。ここから、データを使って順番に説明していきます。

第5章 分析しなければ気づけなかった5つの発見 ― 感覚と事実のズレ▲ 先頭へ

このレポートには多くの数字が出てきます。その中でも、日ごろの感覚とは食い違っていた5つを先に紹介します。

詳しい説明は後の章にあります。ここでは結果だけをご覧ください。

氷山の水面から下に5つの発見がある図
ふだん見ているのは、水面から上のまとめた数字だけです。数えて初めて見えた5つを、この章で紹介します。

発見1 リショップナビの売上が伸びたのは、紹介が増えたからではない

期間案件数(四半期平均)成約率平均単価
2024年約50件約10%161万円
2026年1-6月約50件約15%247万円

案件数は横ばいのまま、成約率と単価だけが上がっていました。

分析しなければ「サイトからの紹介が増えたおかげ」と考えていました。実際は、当社の実力が上がった結果です。(第15章)

発見2 冬の案件は数が3割少ないが、成約率は2倍

  • 冬の成約率 21% ― 春・夏は11%
  • 冬は案件数が約33%少ない ― ただし1件あたりの価値は約2倍
分析しなければ冬は単なる閑散期だと考えていました。実際は、本気度の高いお客様が集まる時期です。(第15章)

発見3 失注の半分は、お客様に会う前に終わっている

  • キャンセル32% + 現地調査前の失注14% = 約半数(46%)
  • 最終的に成約するのは20% ― 5件に1件
分析しなければ失注の件数だけを見て、うまくいっていないと受け取っていました。実際は、相見積もりが前提の競争構造によるものです。5件中4件を失うのが、当社ではこの傾向です。(第15章)

発見4 月の成績は、20日までにほぼ決まっている

  • 月初30% + 月中30% = 60% ― 6割は20日までに決まります。月末は40%です
  • 前半が少なかった月も、月末の売上はほぼ同じ ― 1,646万円と1,632万円。ほとんど差がありません
  • それでも月の合計は1.5倍の差 ― 3,087万円と4,752万円

※ 正月休みのある1月と、ゴールデンウィークのある5月は集計から除いています。

分析しなければ月末に追い込めば取り返せると考えていました。実際は、月末の売上はどの月もほぼ同じで、差がつくのは20日までの積み上げでした。(第17章)

発見5 新規のお客様が、2026年に入って一気に若くなった

新規のお客様2025年上期2026年上期
年齢の中央値64歳57歳
60歳未満の割合34%57%
50歳未満の割合13%31%
  • 若返りの主役は自社HP ― 新規の年齢中央値は53歳。50歳未満32件のうち12件が自社HPで、Web系(自社HP・ホームプロ・リショップナビ・スーモ)で4分の3を占めます
  • 70代中心の訪問販売が減り、50代中心の自社HP・スーモが増えた ― 訪問販売(中央値71歳)は24件→9件、自社HP・スーモ(中央値53~57歳)は5件→33件。経路の入れ替わりが半分、自社HP自体の若返りが残り半分です
  • 若いお客様も再契約率は変わらない ― 50歳未満48%、60代以上51%。「若い=一見さん」ではありません

※ 年齢はデータ抽出時点のものです。過去の契約ほど実際より高く出るため、1年差の2025年と2026年の上期(1~6月)だけを比べています。年齢が未入力の契約(2025年上期3件・2026年上期10件)は除いています。

分析しなければリフォームのお客様は60~70代が中心で、若い世代にはなかなか届かないと考えていました。実際は、2026年の新規客の6割近くが60歳未満で、その入口は自社HPでした。55歳のお客様とは、この先20年以上お付き合いが続きます。(第12章)
ポイント5つとも、感覚と事実が逆でした。数字で確かめる意味は、ここにあります。

第6章 売上・契約件数・平均単価はどう変わったのか▲ 先頭へ

まず、どれくらい「好調」だったかを確認します。比べる相手は前の月ではなく「去年・一昨年の同じ4-6月」です。リフォームの売上は季節で大きく変わるため、同じ季節どうしで比べないと正しく判断できません。

項目2024年4-6月2025年4-6月2026年4-6月
売上合計1億770万円1億2,199万円2億364万円
契約件数112件135件187件
平均単価96.2万円90.4万円108.9万円
前年同期比(売上)+13.3%+66.9%

注目してほしいのは、売上だけでなく「件数」と「単価」が両方とも伸びている点です。

  • 件数: 135件 → 187件(+39%)
  • 単価: 90.4万円 → 108.9万円(+20%)

売上は件数×単価なので、両方が伸びると売上は掛け算で増えます。件数が50件以上も増えるのは、たまたまでは起こりにくい変化です。

ポイント件数(+39%)と単価(+20%)が同時に伸びた。これは運では起こりにくい変化です。
図01
図1:月次売上の実績(2021年1月~2026年6月)。青い帯は冬(12~2月)、緑の帯が分析対象(4-6月)。

図1を見ると、2026年4月の9,170万円が目立っています。「これは怪しい」と思った方は、良いところに気づいています。次の章で、その疑いを順番に確かめていきます。

第7章 売上はどの集客経路から来ているのか▲ 先頭へ

好調の中身を見る前に、4-6月の売上全体と、そこに至るまでの動きを確認します。

今の契約は、どの経路で決まったのか

図02
図2:契約チャネル別の売上構成(2026年4月~6月)。
  • OB客(リピート) 39% ― 一番大きい
  • 自社HP 15%
  • ホームプロ 15%
  • スーモカウンター 10%
  • リショップナビ 7%

経路ごとの売上は、半期でどう動いてきたか

直近の1四半期だけでなく、2024年からの動きも見ておきます。1~6月と7~12月に区切って、経路ごとの売上を並べました。

図03
図3:集客経路ごとの売上の動き(半期ごと)。
  • 2026年上期に3つの経路が同時に伸びました ― ホームプロ1,499→4,981万円、自社HP1,300→4,048万円。好調はこの重なりで生まれています
  • リショップナビは半期先行して伸びました ― 2025年下期に1,953→4,630万円。第15章で見た成約率と単価の改善が効いた時期です
  • スーモカウンターはゼロから1,929万円 ― 2026年上期に始まったばかりの経路です
  • ビック札幌だけが下降しています ― 2025年上期の2,067万円を最後に、982万円→905万円と減っています(第20章)

※ ビック札幌は集客経路ではなく支店ですが、比較のため並べています。

ポイント今の契約で一番大きいのはOB客(39%)で、全体の約4割を占めます。つまり売上の柱は「新しいお客様との出会い」と「そのお客様が戻ってくること」の2つでできています。

第8章 3つの疑いを検証 ― 「たまたま」ではないのか▲ 先頭へ

図04
図4:3つの疑いと、その検証結果。

疑い① 「大きい工事が1件あっただけでは?」

実際、4月には1,460万円の大きな工事(江別市・戸建・自社ホームページ経由)が1件ありました。そこで、この1件を除いて計算し直してみます。

結果大きな工事を除いても4-6月合計は1億8,899万円。前年同期比 +55% です。

つまり「大きい工事のおかげ」では説明できません。ちなみにこの大きな工事のお客様も、自社ホームページの施工事例を見て問い合わせてきた方です。偶然の飛び込みではなく、これも戦略の成果です。

疑い② 「景気が良かっただけでは?」

景気が良いだけなら、どの経路も同じように伸びるはずです。しかし実際は、伸びた経路と減った経路に分かれました(第9章)。

  • 訪問販売が減ったのは、担当を異動させたという会社の判断によるもの
  • 特定の経路だけが動くのは、当社の取り組みが効いた証拠

疑い③ 「前年が落ち込んでいた反動では?」

前の年がたまたま悪ければ、比べる相手が低いというだけで、伸び率は大きく見えます。そこで1年前だけでなく、2年前とも比べました。

4-6月の売上2024年2025年2026年
売上合計1億770万円1億2,199万円2億364万円
前年同期比+13.3%+66.9%
2024年比+13.3%+90.1%
結果前の年(2025年)は落ち込むどころか、その前の年より+13.3%と伸びていました。さらに2年前(2024年)と比べても+90.1%です。低い相手と比べたから大きく見えている、という説明は成り立ちません。
  • 前年は落ち込んでいない ― 2025年4-6月は2024年比+13.3%
  • 2年前と比べても+90.1% ― 1年だけの特殊事情では説明できない伸び
  • 1-6月で見ても+40.3% ― 件数も232件→281件と増加。3月の契約が4月にずれただけ、という説明も成り立たない

第9章 売上を増やした「2つのエンジンと1つの追い風」▲ 先頭へ

では、何が売上を約8,200万円も押し上げたのでしょうか。契約のきっかけになった経路ごとに増減を分けると、「功労者」がはっきり見えてきます。

図05
図5:売上を押し上げた要因の全体像。
図06
図6:前年同期からの増減の内訳(ウォーターフォール図)。緑が増えた分、赤が減った分。

エンジン1 OB客 ― 「貯金」が利息を生み始めた(+4,696万円)

増えた分の半分以上はOB客です。OB客は、過去に一度工事をして当社を信頼してくれたお客様です。

  • 営業コストがほとんどかからない
  • 価格競争になりにくい
  • いわば会社の「貯金」

2024~2025年に新しいお客様を増やしてきた結果、その貯金が今、利息(リピート契約)を生み始めました。

戻ってくるスピードも上がっています

「最初の契約から次の契約までの期間」を調べたところ、お客様が戻ってくるまでの間隔は短くなっていました。

  • リピートの件数は増えている
  • 戻ってくるまでの間隔は短くなっている ― 利息が付くスピードが上がっている状態
  • 2026年4-6月にリピートした108件のうち約半分は2024年以降の新しいお客様 ― 「新しいお客様がすぐ2回目を頼む」流れができています
確認できたことお客様が戻ってくるスピードは、速くなっています。

エンジン2 自社ホームページ ― まいた種が芽を出した(+2,343万円)

  • 施工事例は0件から105件へ(2025年1月に執筆開始)
  • 契約が増え始めたのは2025年10月から ― それまで月2~7件だった契約が、2025年10月に月12件へ。執筆開始から約9か月の助走期間がありました
  • 2026年4月以降さらに加速 ― 4月16件・5月14件・6月8件
  • 「最初の接点が自社HP」のお客様の売上が全経路で1位 ― 2026年4-6月で4,397万円(40件)

マッチングサイトに頼らず、自分でお客様と出会う。その狙いどおりの変化が起きています。

施工事例は本当に読まれているのか ― 閲覧数は6倍に

177件の閲覧数データで確かめられました。1記事あたりの平均閲覧数は、2018年の24回から2026年は148回へと約6倍になりました。

ただし、読んだ人が実際に問い合わせて契約したかまでは、問い合わせのデータがないため確認できません。それでも、施工事例が集客の入口になっていることは、もう数字にもはっきり表れています。

追い風 新チャネルと紹介サイトの高額案件(+約3,600万円)

  • スーモカウンター: 2026年2月に取扱い開始。最初の契約は4月で、4~6月に7件・1,929万円(1件あたり約276万円と高単価)
  • ホームプロ・リショップナビ: 679万円(小樽市・マンション)、754万円(石狩市・戸建)などの高額案件が平均単価を押し上げた

3つ目を「エンジン」と呼ばないのは、毎年必ず効く仕組みではないからです。スーモカウンターはまだ実績3か月、高額案件はそのときどきで変わる要因です。頼りにできるのは①と②まで。③はあくまで「追い風」です。

一方で減った分

紹介・訪問販売・その他は合計で約3,500万円減りました。

  • 訪問販売の減少は意図的 ― 担当をマッチングサイト部隊へ異動させたため。契約は2025年10-12月期から急に減っており、異動の時期と一致します
  • つまり「足で稼ぐ営業からWebへ、人を計画的に振り分けた」結果
  • 紹介の減少(▲1,166万円)は理由が不明 ― 確認が必要です

第10章 二段ロケットの構造 ― 出会いの入口とOB化の掛け算▲ 先頭へ

第9章で見た「2つのエンジン」は、自社HPとOB客でした。実はこの2つは、1つの流れの中の2つの段階です。

  • 1段目: 自社HPや紹介サイトで新しいお客様と出会う
  • 2段目: その新しいお客様が1~3年以内にOB客としてリピートする

この流れを「二段ロケット」と呼びます。本当にこの通りになっているか、データで確かめます。

図07
図7:二段ロケットの構造。
ポイント今の好調は、1段目(Web獲得)と2段目(OB化)が初めて同時にそろった状態です。これが好調の正体です。

2段目(OB化)の強さを、経路別に実測する

お客様が最初に契約した経路ごとに分けて、その後リピートした人の割合(OB化率)を計算しました。

表を読む前に ― この数字は順位表ではありませんリピートには時間がかかります。出会ってから日が浅いお客様は、まだリピートする機会そのものが来ていません。そこで「お客様と出会ってからの期間」を並べて載せました。必ずセットで見てください。
初回契約チャンネル顧客数出会ってからの期間OB化率売上(2026年1-6月)
リショップナビ72約1年51.4%6,136万円
ホームプロ99約2年55.6%5,775万円
自社HP76約10か月39.5%5,310万円
スーモカウンター7約1か月0%1,929万円
訪問販売170約11年66.5%1,699万円
紹介129約1年10か月53.5%1,346万円
その他34約1年4か月47.1%1,096万円
近隣挨拶15約1年1か月46.7%870万円
パピスム25約1年7か月40.0%621万円

※ 集計の基準:「顧客数」と「OB化率」は2024年1月~2026年6月に契約のあったお客様が対象です。「出会ってからの期間」は、初回契約日から2026年6月30日までの期間の中央値です。「売上」は2026年1月~6月に契約した金額です。

図08
図8:出会ってからの期間とOB化率。2つの棒はほぼ同じ順番に並びます。

この表からわかること

  • 期間が長い経路ほど、OB化率も高い ― 図7のとおり、2つの棒はほぼ同じ順番に並びます。つまりOB化率は「経路の優劣」ではなく、大部分が「付き合いの長さ」を映しています
  • 訪問販売の66.5%は11年分の積み上がり ― 古くからのお客様が多く、リピートする機会を何度も経ています。新しい経路と同じ土俵では比べられません
  • 自社HPの39.5%とスーモの0%は「弱い」のではない ― 自社HPのお客様は半数以上が直近1年以内、スーモカウンターは全員が直近3か月以内です。リピートを待つ時間がまだ経っていません

では、公平に比べるとどうなるのか

そこで、条件を揃えて計算し直しました。「初回契約から同じ月数だけ経ったお客様どうし」で、その間にリピートした割合を比べます。これなら付き合いの長さの差がなくなり、経路そのものの力を比べられます。

図09
図9:観測期間を揃えたリピート率。初回契約が2024年1月以降のお客様のみが対象。

結果は、生の数字とはかなり違います

  • 訪問販売の優位は大きく縮まる ― 生の数字では66.5%とダントツでしたが、12か月で揃えると46.4%。リショップナビ(46.9%)とほぼ並びます
  • リショップナビが最も高い ― 3か月39.7%・6か月49.1%と、早い段階から戻ってくるお客様が多い経路です
  • 自社HPは時間とともに伸びている ― 3か月18.2% → 6か月26.3% → 12か月34.8%。生の数字(39.5%)が低く見えたのは、まだ日が浅いお客様が多かったためだと確認できました
  • 紹介は伸びない ― 3か月22.9%から12か月でも22.9%と横ばい。生の数字では53.5%と高く見えましたが、それは古いお客様が多いためでした
  • スーモカウンターは依然として判定不能 ― 最初の契約が2026年4月のため、3か月の観測期間すら満たすお客様がいません
この分析でわかったこと「新しい経路は不利に見える」という当初の見立ては、データで裏づけられました。条件を揃えると、自社HPは12か月で34.8%とホームプロ(38.5%)に迫る水準にあり、決して弱い経路ではありません。ただし自社HPの12か月データは、契約が本格的に増える前(2025年10月より前)の23人が対象です。今後の主力である2025年10月以降のお客様の実力は、2026年後半以降にならないと判定できません。

1段目(出会いの入口)と2段目(OB化)の掛け算という構造は、経路別に見ても確認できました。次は、この構造が利益の面でも理にかなっているかを見ていきます。

第10章-1 自社HPは本当に「もうかる経路」か ― 粗利率の検証▲ 先頭へ

自社HPはマッチングサイトと違い、成約手数料がかかりません。理屈のうえでは、利益率が高くなるはずです。本当にそうなっているか、契約チャネルごとの粗利率(粗利÷売上)で確かめました。

図10
図10:契約チャネル別の粗利率(2026年1-6月)。
契約チャネル件数売上(1-6月)粗利率(1-6月)粗利率(全期間)
近隣挨拶約19分の1701万円32.8%33.9%
OB客1621億241万円32.6%32.8%
自社HP304,048万円31.2%30.7%
訪問販売9621万円30.3%30.5%
紹介約8分の1783万円28.2%28.0%
リショップナビ163,952万円27.4%27.9%
ホームプロ224,981万円23.6%24.7%
スーモカウンター71,929万円23.0%23.0%
結果仮説どおりでした。手数料のない自社HP・OB客は、マッチングサイトより利益率が高くなっています。

この差はたまたまではありません。

  • 工事の大きさを揃えても同じ ― 50万円以上だけで比べても自社HP30.7%対ホームプロ24.6%
  • 年ごとに見ても同じ ― 自社HPは2024年29.5%→2026年31.2%、マッチングサイト計は26~27%前後
  • 金額に直すと約507万円の差 ― 自社HPの売上8,476万円をホームプロと同じ粗利率で受けていたら、粗利はそれだけ少なかった計算

自社HPの成長は「同じ売上でも、より多くの利益が残る成長」だと言えます。

手数料は何の対価か ― 集客のプロに任せるという選択

マッチングサイトの運営会社は、テレビCMやネット広告に多くの費用をかけて、「リフォームしたい」人を集めています。当社が払う手数料は、その集客活動への対価です。

手数料は「取られているお金」ではなく、「集客のプロに仕事を任せた代金」です。

というのも、集客を自分で行うのは簡単ではないからです。お客様が何に困っているかを調べ、施工事例を書き、検索で見つけてもらえるまで待つ。当社の自社HPも、成果が出るまで約1年かかり、その間、当たる保証はありませんでした。

ですから、粗利率の差は「どちらが得か」という話ではなく、「自分で集めるか、対価を払って任せるか」の違いです。時間をかけて自分の集客を育てながら、マッチングサイトにも助けてもらう。両方を持っていることが、当社の強みです。

注意スーモカウンターは粗利率23.0%と一番低く、売上は取れても利益は薄い経路です。まだ7件しかないため断定はできませんが、頼りすぎないよう注意が必要です。

第11章 どこで売れたのか ― 戸建と地域の広がり▲ 先頭へ

伸びたのはほぼ「戸建」

  • 戸建: 9,145万円 → 1億7,765万円(+94%)
  • マンション: 2,955万円 → 2,218万円(▲25%)

今回の好調は、戸建市場でつかんだものです。

地域は札幌市外へ広がっている

  • 江別市: 536万円 → 2,422万円(※大きな工事を含む)
  • 石狩市: 0円 → 1,237万円
  • 小樽市: 480万円 → 827万円
  • 3市合計: 1,016万円 → 4,487万円(約4.4倍)
  • 市内でも: 中央区(308万円→1,772万円)、厚別区(146万円→1,526万円)の伸びが目立つ

Web集客はエリアの垣根がありません。周辺の市への広がりは、その効果だと考えられます。ただし、施工エリアが広がると移動や管理のコストも増えるため、どこまで対応するかルールの確認が必要です。

なぜ、会社(東区)から離れた地域でも売上になるのか

答えWebは距離を選ばず、単価の大きい工事を連れてくるからです。
図11
図11:距離帯ごとの「稼ぎ方」の違い(2026年4-6月)。

距離が売上の妨げになっていない理由は3つです。

  • ① Webは距離を選ばず、単価の高い工事を連れてくる ― 中距離はWeb経由率64%・平均単価159万円で近くの約2倍。単価が大きいので移動コストをかけても商売として成り立ちます(例:江別=自社HP1,465万円、石狩=ホームプロ755万円)
  • ② 遠くのお客様がOB客としてリピートしている ― 手稲区(2,598万円)はOB客が79%
  • ③ 工事現場そのものが「遠くの営業拠点」になっている ― 石狩227万円・手稲204万円・江別150万円は「近隣挨拶」経由。一度遠くで工事をすると、その周辺で次の仕事が生まれます
小さな工事も入口になります遠方の小さな工事は、その1件だけを見れば効率が悪く見えます。ただし第10章のとおり、最初の工事をきっかけにOB客となり、次はより大きな工事につながることがあります。1件の金額だけで判断しないでください。

第12章 お客様とはどのように出会っているのか(マーケティング)▲ 先頭へ

マーケティングとは、「売り込まなくても、お客様のほうから来てくれる仕組みをつくること」です。例えば洗剤は、お客様の困りごとから逆算して商品やCMをつくります。だから私たちは自分から手に取ります。お客様の困りごとから逆算する。これがマーケティングの順番です。

当社の集客は「誰がマーケティングをしているか」で3つに分かれる

集客マーケティングの担い手特徴
マッチングサイト外部の会社サイト側が広告費をかけてお客様を集める(=集めてもらう)
自社ホームページ当社(自社)施工事例という自社の資産でお客様を集める(=自分で集める)
訪問販売営業個人個人の足と対話力に委ねられた昔ながらの形。人に依存する

外部にマーケティングを任せることの、メリットとデメリット

たとえるなら、マッチングサイトは「ショッピングモールへの出店」、自社ホームページは「街の小さな素敵なお店」です。モールは集客してくれる代わりに家賃(手数料)がかかり、隣の同業と価格を比べられます。自分のお店は育つまで時間がかかりますが、家賃はかからず、常連客(OB客)がついてくれます。

図12
図12:マッチングサイト(モール出店)と自社ホームページ(街の小さなお店)の違い。
ポイントどちらが良いという話ではなく、両方持っていることが強みです。
メリットデメリット
明日からでも案件と出会える(立ち上げ時間ゼロ)手数料がかかる(粗利率で3~8ポイントの差)
集客ノウハウや広告費が不要案件の数をコントロールできない
冬でも案件が発生する(季節の影響が最小)他社も同じ案件を紹介され、常に相見積もりの競争
成果があった分だけ払う仕組み当社を「指名」したお客様ではない
  • マッチングサイトは価格競争になりやすい ― 他社も簡単に参入でき、1つの案件を複数社で取り合うためです
  • 値下げ競争になると、当社は不利です ― 経費の少ない小さな会社ほど安い金額を出せます。値段だけで比べられたら、規模のある会社は勝てません
  • だから、値段以外で選ばれる必要があります ― 提案の中身、対応の速さ、任せてもらえる安心感。この3つで選ばれることを目指すのが、当社に合った戦い方です
  • 自社HPは逆です ― 事例105件は真似されにくく、検索から来たお客様は最初から当社を選んでいます。値段の比較から始まりません

自社HPのお客様は、どこが違うのか ― 実数で確かめる

「最初から当社を選んでいる」という見方が正しいかどうか、契約データで確かめました(2024年1月~2026年6月)。

自社HPホームプロリショップナビ
契約件数64件68件45件
単価の中央値38万円118万円130万円
50万円未満の割合56%37%20%
粗利率30.8%24.7%26.1%
札幌市内の割合86%69%76%
49歳以下の割合32%20%23%

数字が示していること

  • 粗利率がいちばん高い ― 30.8%。マッチングサイトより6ポイント上です。値引き競争になっていません
  • 小さい工事が過半数 ― 56%が50万円未満、中央値は38万円。「これを直したい」という具体的な依頼が中心です
  • 近いお客様が多い ― 札幌市内が86%。マッチングサイト(69~76%)より明確に高い数字です
  • 少し若い層が厚い ― 49歳以下が32%。自分で検索して調べる世代です

そこから見える、お客様の気持ち

  • 「もう会社は決めている」 ― 検索して施工事例を見て、納得してから連絡してきます。だから相見積もりになりにくく、粗利率が高くなります
  • 「頼みたいことが決まっている」 ― マッチングサイトは「どこに頼むか決めるため」の場所。自社HPは「ここに頼みたい」で来る場所です
  • 「あちこちから営業されたくない」 ― サイトに登録すると複数社から一斉に電話が来ます。それを避けて直接来る方がいます
  • 「近い会社に頼みたい」 ― すぐ来てくれる、顔が見える。その安心を優先しています

※ 「お客様の気持ち」は、上の数字からの解釈です。データそのものから直接読み取れるわけではありません。

ポイント自社HPのお客様は、すでに当社を選んで連絡してきます。返信の速さが、そのまま成約につながります。相見積もりを前提にした話し方は、この層には合いません。求められているのは売り込みではなく、相談です。小さい工事が過半数ですが、そこがOB客への入口になります(第11章)。金額の大小で対応を変えないでください。

※ 自社HPの本格稼働は2025年10月からで、契約はまだ64件です。件数が増えると傾向が変わる可能性があります。

お客様の年齢 ― 自社HPが連れてきた若い層

第5章の発見5で触れた「新規のお客様の若返り」を、集客経路ごとに確かめました(新規顧客・年齢が入力されている契約・上期どうしの比較)。数字は「件数・年齢の中央値・60歳未満の割合」です。

経路2025年上期2026年上期
自社HP5件・59歳・60%26件・53歳・69%
ホームプロ9件・60歳・44%19件・59歳・53%
リショップナビ13件・63歳・46%15件・61歳・47%
スーモカウンター7件・57歳・71%
紹介17件・61歳・41%11件・64歳・45%
訪問販売24件・71歳・13%9件・69歳・33%
全体82件・64歳・34%102件・57歳・57%
  • 若返りの主役は自社HP ― 2026年上期の50歳未満32件のうち12件が自社HPです。さらに自社HPの中でも60歳未満の割合が44%(2024~25年上期)→69%に上がり、年齢の中央値は61歳→53歳に下がりました。他の経路はほとんど変わっていません
  • 経路の入れ替わりと、自社HPの若返りが半分ずつ ― 60歳未満の割合は34%→57%(+23ポイント)。経路の構成だけを2026年に置き換えると43%になるので、訪問販売(29%→9%)から自社HP・スーモ(6%→32%)への入れ替わりで+9ポイント、残りの+14ポイントは自社HP内部の若返りです
  • 若い層の中身 ― 50歳未満32件は、Web系が24件(4分の3)。建物は戸建22件・マンション10件で、マンション比率31%は全体(約15%)より高めです。売上の中央値は61万円、100万円以上が11件、81%が札幌市内です
  • 若いお客様も再契約率は変わらない ― 初回契約が2021~2024年の新規顧客で、その後に再契約があった割合は50歳未満48%、50代44%、60代51%、70歳以上51%。初回の単価は小さめ(中央値75万円)ですが、付き合いの長さで効いてきます

※ 年齢はデータ抽出時点の年齢で、過去の契約ほど実際より高く出ます。このため比較は1年差の2025年と2026年に限っています。経路ごとに分けると件数が少なく(2025年上期の自社HPは5件)、細かい%は動きます。自社HPが若くなった理由は、このデータからは分かりません。

ポイントお客様の若返りは、自社HPが伸びた副産物です。55歳のお客様とは20年以上のお付き合いになり、将来のOB売上の土台が長くなります。

ただし、この考え方がずっと当たり続ける保証はなく、答え合わせは現場にしかできません。お客様が「決め手」にした一言と、工事の写真や声を、ぜひ共有してください。

強みは予想の上手さではなく、予想→実行→答え合わせ→修正を回し続けること。外れたら、直します。

第13章 ネット集客のそれぞれの性格を知る▲ 先頭へ

ネット経由の集客には5つの経路があります。まとめて「Web経由」と呼びがちですが、5つはまったく違う動き方をしています。同じ手を打っても、経路によって効き方が変わります。

5つの経路の性格

経路ひとことで言うと件数平均単価単価の中央値粗利率
ホームプロV字で戻ってきた181件219万円145万円21.3%
自社HP数で伸ばした101件123万円40万円30.3%
リショップナビ単価で伸ばした87件184万円132万円27.9%
ハピすむ縮小が続いている45件196万円143万円26.1%
スーモカウンター立ち上がったばかり7件276万円136万円23.0%

※ 2021年1月~2026年6月の通算。スーモカウンターは7件、ハピすむの直近は年数件と少ないため、いずれも参考値です。

ネット集客5経路の売上構成の円グラフ
図:ネット集客5経路の売上の内訳(直近12か月・2025年7月~2026年6月)。5経路の合計2億3,531万円を100%としています。

いちばん大事な違い ― 伸ばし方が正反対です

いま伸びている自社HPとリショップナビは、伸び方の中身が逆です。

経路件数(上期)平均単価伸ばし方
自社HP6件 → 30件137万 → 135万円数を増やした
リショップナビ14件 → 16件140万 → 247万円単価を上げた

※ 2025年上期と2026年上期の比較。

自社HPは小さい工事を数多く受ける形です。2026年上期の30件のうち21件が100万円未満で、単価の中央値は40万円と5経路でいちばん低い一方、粗利率は30.3%でいちばん高くなっています。リショップナビは逆で、案件の数はサイト側が握っていて増やせないため、成約率と単価を上げて伸ばしてきました(第15章)。

ポイント「Web経由」とひとくくりにすると、この違いが見えなくなります。経路ごとに、数と単価のどちらで伸びているのかを分けて見てください。自社HPは施工事例の更新を止めないこと、リショップナビは成約率と単価を保つことが、それぞれの次の一手になります。

第14章 売上の方程式 ― 好調の「弱点」も直視する▲ 先頭へ

ここまで好調の理由を見てきました。しかし、良い分析は弱点からも目をそらしません。実は当社の売上は、経路によって「蛇口を握っているのが誰か」が違います。

図13
図13:売上の方程式。当社が動かせるのは「成約率」と「単価」だけです。
  • マッチングサイト経由は売上全体の33% ― 直近12か月で1億7,120万円
  • 依存度は再び上がっている ― 伸びているからこそ、外部に依存した売上が増えている自覚が必要です
  • 極端に言えば ― あるサイトからの案件がゼロになれば、そのサイト経由の売上もゼロになります
誰が蛇口を握っているかを表した図
売上の33%は、蛇口の太さをサイト側が決めています。

当社の売上は、①マッチングサイト(外部が集客)②自社HP(自社が集客)③OB客(過去の信頼)でほぼできています。自社のマーケティングがなければ、マッチングサイトや訪問販売で穴を埋めるしかありません。自社HPが育ってきたことは、その構図から抜け出す第一歩です。

もし蛇口が細くなったら ― 感度分析

「案件の数が減ったら、売上はいくら減るのか」を、成約率と単価は変わらないと仮定して試算しました(案件数のデータがないため、売上の比例計算による大まかな試算です)。

  • 案件が半分になっても前年度(約4.4億円)は上回る ― 会社が傾くリスクではありません
  • ただし成長シナリオは崩れる
  • リショップナビは全体の16% ― このサイトの動き次第で全体が左右されやすい点に注意
ポイントこれは仮定の話ではありません。リショップナビの案件数は、2025年1~8月と2026年1~8月をくらべると実際に34件減っており、すでに蛇口が細くなり始めています。

リスクへの備え ― 3つの防衛策

  • ① 自分の集客チャネルを太くし続ける ― 自社HPとOB客は「自分で蛇口を握れる」経路。自分のチャネルの比率(現在54%)を安定して6割へ
  • ② マッチングサイトを分散する ― 今は実質3社。1社の条件変更や案件減で全体が揺さぶられない構成を保つ
  • ③ 「案件数」と「成約率」の記録を全サイトで始める ― 毎月記録すれば、売上が減ったときに「案件が減ったのか」「成約率が落ちたのか」を見分けられます
補足マッチングサイトは、冬の落ち込みが一番小さい経路でもあります(工事を決めた人がサイトに登録するため、季節の影響を受けにくい)。リスクと利点の両方を知ったうえで、賢く付き合うことが大切です。

第15章 リショップナビで実測検証 ― 案件数は増えていない▲ 先頭へ

前の章で説明した「売上の方程式」を、実際のデータで確かめることができました。リショップナビの紹介案件データ(依頼日2024年1月~2026年6月・532件)と、当社の契約実績を突き合わせた結果が次の表です。

期間案件数(四半期平均)契約件数(成約率)平均単価
2024年約50件19件(約10%)161万円
2025年約58件35件(約12~15%)188万円
2026年1-6月約50件16件(約15%)247万円
  • 案件数はほぼ横ばい ― 月17~19件
  • 伸びたのは成約率 ― 約10% → 15%前後
  • 伸びたのは単価 ― 161万円 → 247万円
図14
図14:リショップナビ紹介案件数の月次推移(依頼日ベース・全532件)。水色は冬(12~2月)。
ポイントリショップナビの売上増は「案件が増えた」のではなく「成約率と単価を磨いた」結果です。当社側の改善効果が大きいと考えられます。

冬の案件は「数は少ないが質が高い」

  • 冬は案件数が約33%少ない ― 消費者のリフォーム需要自体が冬に3割減るため
  • ただし冬の成約率は21% ― 春・夏(11%)の約2倍。本気度の高いお客様が多いと考えられます
覚えておきたいこと冬は案件数が3割減るが、1件の価値は約2倍。冬の少ない案件こそ、丁寧に取り切る。

成約までの道のりは険しい

図15
図15:リショップナビ案件のファネル(2026年・結果が確定した案件ベース)。
  • 約半数(46%)は現場でお会いする前に終わる ― キャンセル32% + 現場調査前の失注14%
  • 現場調査まで進んだ案件からも34%が失注
  • 最終的に成約に至るのは20% ― 5件に1件

マッチングサイトの案件は、複数の会社が相見積もりを出す競争の場です。1件の成約の裏には4件の負けがある、というのが客観的な実態です。この前提に立つと、成約率の改善(約10%→15%)は、見た目の数字以上に大きな成果だと言えます。

ポイント紹介案件が最終的に成約に至るのは20%、つまり5件に1件です。現地調査をする前に、約半数(46%)は失注しています。5件中4件を失うのは、相見積もりが前提のこの市場では標準的な数字です。失注の件数だけを見て、現場の力を見誤らないでください。

第16章 冬と季節のリズム ― 札幌の宿命▲ 先頭へ

3月の平均売上は年平均の98%で、雪解けとともに回復が始まる月でした。そこでこのレポートでは、実際に合わせて12~2月を「冬」と決めています(3月・11月はその中間の月です)。

札幌の1年の売上リズムを表した図
3月の雪解けから回復し、9月にピーク、12~2月が谷になります。冬の谷は毎年決まって来るもので、異常ではありません。
図16
図16:四季別の売上の年別比較(春=3~5月、夏=6~8月、秋=9~11月、冬=前年12月~当年2月)。

この図からわかることは2つ

  • 2026年の春は1億8,015万円 ― この5年半で一番売れた季節
  • 冬の棒が2年続けて高くなっている ― 冬に強くなってきている

当社の1年のリズム

  • 冬(12~2月)は1か月あたり約1,900万円 ― それ以外の月(約3,500万円)のほぼ半分
  • 1月は5年連続で一番低い月 ― 1月に数字が落ちても慌てる必要はありません
  • 一番売れるのは6~9月 ― ピークは9月
  • 3月と11月は「あいだ」の月 ― 3月は雪解けで回復、11月は初雪で下がり始める
ポイント冬に下がるのは異常ではありません。「前の冬より高い谷」なら順調と判断してよいです。

良い変化がすでに起きている

図17
図17:冬(12~2月)の売上合計の推移。谷が2年続けて浅くなっています。

この谷を埋めたのは、1つの経路ではありません。2023年冬の3,842万円から2025年冬の9,263万円へ、2年で5,421万円(2.4倍)増えました。その中身を分解すると、次のようになります。

経路2023年冬2025年冬増えた額(寄与)
OB客29件 / 1,964万円65件 / 4,441万円+2,477万円 (46%)
リショップナビ2件 / 284万円9件 / 2,548万円+2,264万円 (42%)
ホームプロ1件 / 100万円6件 / 1,075万円+975万円 (18%)
自社HP0件 / 0円5件 / 509万円+509万円 (9%)
冬の合計44件 / 3,842万円97件 / 9,263万円+5,421万円

※ 寄与の合計が100%を超えるのは、減った経路があるためです(紹介 -598万円、トクラスSR -376万円など)。

  • いちばん効いたのはOB客 ― 29件から65件へ2.2倍。1件あたりの金額は約68万円でほぼ変わらず、増えた分はまるごと「件数」です
  • 次がリショップナビ ― 2件から9件へ。1件あたりも142万円から283万円へ倍増し、冬の高単価案件はここから来ています
  • 自社HPは金額ではまだ小さい ― 5件・509万円で、増えた5,421万円のうち9%。ただし2023年冬・2024年冬は本格稼働前で、2025年冬が初めてのフル稼働の冬です
冬の谷が2年続けて浅くなっている様子の図
冬の谷は2年で5,421万円ぶん埋まりました。埋めたのはOB客とリショップナビで、自社HPはこれからの経路です。

つまり、冬の谷を実際に埋めたのはOB客とリショップナビの2つです。自社HPは金額こそまだ小さいものの、ゼロからの立ち上がりで、来年以降の伸びしろとして見ておく経路です。

第17章 月の中の売上配分 ― 月初・月中・月末▲ 先頭へ

1か月の中で、売上がいつ立つのかを集計しました(2024年1月~2026年6月・24か月・994件・契約日ベース)。

※ 正月休みのある1月と、ゴールデンウィークのある5月は、集計から除いています。この2か月は15日までに契約が動いた日数が平均5.5日(それ以外の月は9.3日)しかなく、月の中の配分が大きく崩れるためです。

24か月の合計では 月初30%・月中30%・月末40%

図18
図18:売上を契約日で3つに分けた構成比。
  • 月末(21~31日)が40%でいちばん大きい ― 3つの中では最大の塊です
  • ただし月初30% + 月中30% = 60% ― 6割は20日までに決まっています
  • 「月末にまとめて決まる」という感覚ほどには、月末に寄っていない ― 月初だけでも3割が入っています

差がつくのは、月末ではなく20日まで

図19
図19:前半(1~20日)の売上が少ない12か月と、多い12か月の比較。
  • 月末の売上は、どの月もほぼ同じ ― 前半が少なかった月で1,646万円、多かった月で1,632万円。ほとんど差がありません
  • 一方、月の合計は1.5倍の開き ― 3,087万円と4,752万円
  • つまり、月末の追い込みでは前半の差は埋まっていない ― 月の成績は、20日までにほぼ決まっています

例外は6月 ― 前半に契約が集まる

  • 6月は3年とも月初(1~10日)の割合が高い ― 38%・44%・53%。他の月は平均28%です
  • 売上そのものも大きい月です ― 2024年6月3,470万円、2025年6月5,117万円、2026年6月5,193万円
  • ゴールデンウィークで動けなかった商談が、6月前半に決まっている可能性があります ― ただし3年分しかないため、断定はできません
ポイント月の成績は、20日までの積み上げでほぼ決まります。月末の追い込みは大切ですが、それだけで前半の差は埋まりません。1月と5月は別に考えてください。正月休みとゴールデンウィークで前半がほとんど動かないため、月の前半が静かでも心配いりません。月の途中の数字は、月によって進み方がまちまちです。途中経過だけで、その月の良し悪しは判断できません。

第17章-1 曜日のリズム ― 土日で売上の4割▲ 先頭へ

月の中の配分に続いて、曜日ごとの違いを調べました(2024年1月~2026年6月・1,186件・契約日ベース)。土曜と日曜を「週末」、月曜から金曜を「平日」としています。

1日あたりで見ると、週末は平日の約2倍

図20
図20:週末と平日の1日あたり売上と契約件数。
  • 週末の1日あたり売上は186万円 ― 平日96万円の1.93倍です
  • 件数も1.76件と1.12件で1.58倍 ― そのうえ単価も106万円対86万円と高いため、差が広がります
  • 土日だけで売上の43.5% ― 日数では全体の29%(912日のうち260日)にすぎません

※ 土日は週2日、平日は週5日と日数が違うため、「1日あたり」に直して比べています。

曜日で見ると、山は金・土・日

図21
図21:曜日別の1日あたり売上と契約件数。
  • 土曜がいちばん多い ― 1日あたり1.87件・188万円
  • 日曜は1件あたりの金額が最も高い ― 平均111万円
  • 金曜も高い ― 1日あたり118万円。実質は金・土・日の3日間が山です
  • 水曜はほとんど動かない ― 1日あたり0.33件。定休日です

週末に寄るのは「中くらいの工事」

1件あたりの金額契約件数週末の割合
50万円未満689件32%
50~150万円269件49%
150~300万円141件52%
300万円以上87件39%
  • 50~300万円の帯だけ、週末が約半分 ― ご家族で相談して決める規模が、この帯に集まっていると考えられます
  • 50万円未満は32%と低い ― 小さな修繕は、平日でもその場で決められます
  • 300万円以上も39% ― 検討期間が長く、曜日に左右されにくいようです

この傾向は3年間変わっていません

契約件数週末の件数比週末の売上比
2024年388件39%45%
2025年518件38%48%
2026年1-6月280件39%36%
  • 件数比は3年とも38~39% ― 偶然のブレではなく、構造として定着しています

※ 2026年の売上比36%は上期だけの数字で、大型案件がどちらに入るかで動きます。

ポイント土日は1日あたり2倍を稼ぐ日です。週末の体制が、そのまま売上につながります。週末に寄るのは50~300万円の工事です。ご家族で相談して決める規模ほど、土日に決まりやすくなります。

第18章 月別売上予測 ― 3つのシナリオ予測▲ 先頭へ

未来は1つの数字では当てられません。そこで「楽観・標準・悲観」の3つのシナリオを用意し、それぞれが起こる確率をつけました。天気予報の「降水確率」のようなものだと考えてください。

シナリオ確率前提2026年度売上前年度比
楽観25%現在の成長ペースが続く。自社HP・スーモが伸び続ける約6.7億円約+50%
標準50%OB客・自社HPの底上げ+岡本の復帰による体制強化約6.4億円約+44%
悲観25%成長が止まり、直近1年の水準を維持するだけ約5.8億円約+31%
図22
図22:2026年度売上のシナリオ別予測。悲観でも前年度実績(4.4億円)を上回ります。
ポイント悲観シナリオでも前年度(約4.4億円)を上回ります。ただし前提は「仕込みを止めない」「案件発生数が現状水準」の2つです。

注目してほしいのは、悲観シナリオでも前年度実績を約3割上回ることです。すでに手に入れた4-6月の実績(2億364万円)と、OB客という「貯金」があるためです。

月別の内訳(4~6月は実績、7月以降は予測)

楽観(25%)標準(50%)悲観(25%)備考
2026年4月9,170万円実績(大型案件含む)
2026年5月6,000万円実績
2026年6月5,193万円実績
2026年7月7,000万円6,300万円5,800万円夏の高シーズン(稼働23日)
2026年8月6,500万円6,200万円5,300万円お盆休業込み(稼働21日)
2026年9月7,800万円7,400万円6,400万円例年ピーク
2026年10月5,900万円5,500万円4,800万円稼働24日と多い
2026年11月4,100万円3,900万円3,400万円初雪で需要減
2026年12月4,100万円3,900万円3,400万円冬。5年平均では弱い月
2027年1月2,700万円2,600万円2,200万円冬。5年連続の最低圏
2027年2月3,100万円2,900万円2,600万円
2027年3月5,100万円4,800万円4,200万円雪解けの回復月・年度末
年度合計約6.7億円約6.4億円約5.8億円前年度実績:約4.4億円

冬(2026年12月~2027年2月)の合計は、標準シナリオで約9,400万円です。これは直近の冬の実績(9,263万円)を上回る水準です。冬の谷は2年続けて浅くなっており、この流れが続けば楽観シナリオ(約1億円)に近い着地もあり得ます。

覚えておく数字冬(2026年12月~2027年2月)の合計が8,200万円を下回ったら黄色信号。早めの対策会議をお勧めします。

標準シナリオに織り込んだ上振れ ― 営業体制の強化

この予測の土台(直近12か月の水準)は、営業1名が長期間休んでいた時期の実績です。その1名(岡本)が2026年7月15日に復帰し、以降はメイン担当として働きます。

  • 上乗せ額:約1,500万円(2026年8月~2027年3月)
  • 見積もりの根拠 ― 休む前の月平均およそ250~400万円から、立ち上がりの期間を引いて控えめに算出
  • 結果 ― 標準シナリオを約6.2億円 → 約6.4億円(前年度比+44%)に引き上げ

立ち上がりが順調なら、さらに楽観(約6.7億円)に近づく可能性があります。

※ 予測は「稼働日あたりの売上×各月の実際の稼働日数」方式で作成しています(過去5年半・66か月の季節パターンを直近重視で計算。ホルト・ウィンターズ法という別の方法でも結果がほぼ一致することを確認しました)。またこの予測は、マッチングサイトからの案件数が今の水準のまま続くことを前提にしています。

第19章 予測はどれくらい当たるのか ― 過去に立って検証▲ 先頭へ

タイムマシンで2025年4月1日に戻り、その時点のデータだけで2025年度を予測して実績と答え合わせしました(バックテスト=答えを見ずに解く検証)。

答えを見ずに予測し、後で答え合わせをした手順の図
2025年度の実績を見ずに予測を立て、あとで答え合わせをしました。年間の誤差は▲2.2%でした。
項目予測(標準)実績誤差
2025年度 合計4億5,500万円4億4,484万円▲2.2%
  • 年度合計はほぼ的中 ― 誤差はわずか▲2.2%
  • 単月は平均±25%ほどブレる ― 大きく外れた月の例:2026年2月+99%
  • 当たるのは「年間の水準」と「季節の形」 ― 単月のズレは想定内です
年間は的中し単月はブレることを的で表した図
当たるのは「年間の水準」と「季節の形」です。単月は平均±25%ブレるため、1か月の結果で一喜一憂しないでください。
結論バックテストで年間の誤差が▲2.2%だったことは、この予測を使ううえでの心強い材料です。ただし単月は±25%ブレるのが普通です。単月の結果で一喜一憂しないでください。

第20章 ビック札幌の分析 ― 下請事業の構造と課題▲ 先頭へ

ここまでは札幌支店の話でした。当社にはもうひとつ「ビック札幌」という支店があります。同じ会社ですが、仕事のしくみがまったく違います。

この章の要点① 下請の事業です。家電量販店が受けた工事を請け負う形で、お客様は量販店のお客様のまま。リピート(OB客)は生まれません。② 会社全体では、件数の12%・売上の5%・粗利の5%です。③ お客様が戻ってこないため、利益が積み上がりません。1人あたりの粗利は13.7万円で、札幌支店(45.8万円)の3分の1以下です。④ 冬でも売上は大きく落ちません。ただし金額の規模が小さく、札幌支店の冬の穴埋めにはなっていません。⑤ 2026年上期は前年同期の半分以下。主力のBIG札幌が3年続けて減っています。

※ この章のデータは2024年1月~2026年6月。札幌支店1,195件、ビック札幌160件が対象です。

まず、仕事の入り口が違います

図23
図23:札幌支店(元請)とビック札幌(下請)のしくみの違い。
  • 札幌支店は「元請」 ― ホームページや紹介でお客様を自分で集め、直接契約します
  • ビック札幌は「下請」 ― BIG札幌やコジマなど家電量販店が受けた工事を、当社が請け負います。売上の98%が量販店経由です
  • お客様は量販店のお客様のまま ― 「またお願いします」というリピート(OB客)が生まれません。第10章の二段ロケットは、ここでは回りません

※ データ上は同じお客様の名前が複数回出てくることがありますが、それは量販店で何度か買い物をされたということです。当社のリピート客ではありません。

会社全体の中での大きさと、利益が積み上がらない理由

図24
図24:件数・売上・粗利それぞれの構成比。ビック札幌の割合が半分以下に縮みます。

件数では12%を占めますが、売上と粗利では5%です。この差が生まれる一番の理由は、お客様が戻ってこないことにあります。

図25
図25:お客様1人あたりの、2年半の累計粗利。
  • お客様1人あたりの粗利は13.7万円 ― 札幌支店は45.8万円。3分の1以下です
  • 次のご依頼が当社に来ません ― 札幌支店は2年半で1,195件の契約を、724人のお客様からいただきました。1,195件 ÷ 724人 = 1人あたり平均1.65回です。ビック札幌のお客様は量販店のお客様なので、次の工事も量販店を通すことになります

札幌支店では、2回目以降のご依頼のほうが利益率が高くなります。一度おつきあいが始まれば、次からは相見積もりになりにくいためです。

札幌支店のご依頼件数粗利率
1回目724件28.8%
2回目272件31.9%
3回目105件31.5%
4回目以降94件31.2%

ビック札幌の粗利率27.9%は、この表の「1回目」28.8%とほぼ同じ水準です。つまりビック札幌は、ずっと1回目の取引をくり返している状態にあります。

※ 粗利率が30%を超える契約は、札幌支店で55%、ビック札幌で37%あります。ビック札幌でも高い利益率の工事はありますが、その割合が小さく、しかも次につながりません。

規模を数字で比べる

札幌支店ビック札幌札幌支店と比べると
契約件数1,195件160件約8分の1
売上11億2,549万円6,211万円約18分の1
粗利3億3,181万円1,735万円約19分の1
1か月あたりの件数39.8件5.3件約8分の1
1件あたりの売上94.2万円38.8万円約4割
1件あたりの粗利27.8万円10.8万円約4割
1か月あたりの粗利1,106万円58万円約19分の1
粗利率29.5%27.9%ほぼ同じ

どんな工事が多いのか

図26
図26:ビック札幌の1件あたりの金額。うすい棒が件数の割合、濃い棒が売上の割合。
  • ふだんの仕事は小口です ― 68%が30万円未満。給湯器やエアコンの取り付けが中心です
  • 売上の半分は、年に数件の大型工事 ― 100万円超はわずか17件(10.6%)ですが、売上の50.3%を占めます
  • だから月の数字が読めません ― 月の売上は28万円~626万円まで動きます
発見 ― 小口の顔をした「大型案件頼み」ふだんは小口の仕事(68%が30万円未満)が中心のため「安定した小さな仕事の積み重ね」に見えます。実際は、100万円を超える大型工事はわずか17件(10.6%)しかないのに、売上の50.3%をその17件だけで作っています。つまり、その年の成績は、年に数件の大型案件が入るかどうかで大きく左右される構造になっています。

季節によって変わるのか

図27
図27:ビック札幌の1か月あたりの売上。
  • 春がいちばん多く、夏がいちばん少ない ― 春は月259万円、夏は月159万円。全体の平均は月207万円です
  • 冬でも大きくは落ちません ― 冬は月182万円で、平均を少し下回る程度です。マンションが39%(札幌支店は15%)と多く、雪の影響を受けにくい工事が中心のためと考えられます
  • ただし月ごとの振れが大きい ― 月ごとに見ると28万円~626万円まで動きます。季節よりも「大型工事が入ったかどうか」で決まります

では、冬の穴埋めになっているのか

図28
図28:1か月あたりの売上を、冬とそれ以外で比べたもの。
  • 答えは「なっていません」 ― 落ち込み方は小さいものの、ビック札幌も冬は売上が減ります
  • そもそも規模が違いすぎます ― 札幌支店が冬に減る額は月1,805万円。ビック札幌の冬の売上は月182万円で、その1割です

冬の谷は、OB客と自社HPで埋めるしかありません(第16章)。

売上を支える大型案件は、年に6~9件

売上の半分をつくる100万円以上の工事が、どのくらいの頻度で入っているかを見ました。

大型案件の件数年あたりのペースその年の売上に占める割合
2024年6件6件50%
2025年9件9件56%
2026年上期2件4件32%
  • 多い年でも年9件 ― 月にすると1件未満です。「たまに入るもの」であって、計画できるものではありません
  • 2026年に入って減っています ― 上期は2件のみ。年4件のペースで、2025年の半分以下です
  • 直近の大型案件は2026年3月 ― その後の4月・5月・6月は1件もありません
  • 200万円を超える工事は2年半で5件だけ ― いちばん新しいもので2025年11月です

※ 大型案件が入るかどうかで月の売上が決まるため、少ない月は28万円、多い月は626万円と大きく動きます。

気をつけておきたいこと

2024年2025年2026年上期
BIG札幌1,993万円1,693万円611万円
コジマ屯田店17万円656万円97万円
コジマ新札幌63万円422万円52万円
コジマ西岡店81万円279万円145万円
  • 主力のBIG札幌が3年続けて減っています ― 1,993万円 → 1,693万円 → 上期611万円
  • 2026年上期は前年同期の半分以下 ― 2,067万円 → 905万円(-56%)。同じ時期に札幌支店は+40%でした
  • 工事の数を自社で増やせません ― 量販店がどれだけ送客してくれるか次第です
ポイントビック札幌は「小さい札幌支店」ではなく、しくみの違う下請の事業です。同じ物差しで比べる相手ではありません。お客様が戻ってこないため、利益が積み上がりません。お客様1人あたりの粗利は13.7万円で、札幌支店(45.8万円)の3分の1以下です。冬の穴埋めにはなっていません。冬の谷はOB客と自社HPで埋めるしかありません。売上を支える大型案件も年6~9件しかなく、2026年3月を最後に途切れています。

第21章 まとめと、当社が大切にしたいこと▲ 先頭へ

結論2026年4-6月の好調は「たまたま」ではなく、これからも続く可能性が高いです。

根拠は3つ

  • ① OB客のリピートが件数もスピードも伸びている ― お客様は離れていません
  • ② 自社HPの施工事例が実を結び始めた ― 約1年の助走を経て収穫期に
  • ③ 悲観シナリオでも前年度を上回る計算

ただし、続くかどうかは「仕込みを止めないこと」にかかっています。

【事実】数字で確認できたこと

  • 売上増の主な理由: OB客(+4,696万円)、自社HP(+2,343万円)、スーモカウンター(+1,929万円)、ホームプロ(+1,674万円)
  • 件数+39%・単価+20% ― リピートの間隔も短くなった
  • 利益率も同時に改善 ― 伸びているOB客(32.8%)と自社HP(30.7%)は、手数料のかかるマッチングサイト(23~28%)より利益率が高い

【推測】これから起こりそうなこと

  • 自社HPで出会った新しいお客様が、1~3年後にOB客として売上を生む「二段ロケット」により、好調はしばらく続く可能性が高い
  • 自社HPのOB化率(生の数字39.5%)は、今後まだ上がる余地がある ― 観測期間を揃えて比べると12か月で34.8%とホームプロ(38.5%)に迫る水準で、決して弱い経路ではない(第10章)
  • スーモカウンターは最初の契約が2026年4月のため、OB化率0%は「実力」ではなく「判定時期が来ていない」だけ

ビック札幌について

  • ビック札幌は下請の事業で、しくみが違います ― 量販店から回ってくる工事のため、リピート(OB客)が生まれません(第20章)
  • 会社全体に占める割合は小さい ― 件数では12%ですが、売上・粗利では5%。1か月あたりの粗利は58万円です
  • お客様が戻ってこないので利益が積み上がりません ― お客様1人あたりの粗利は13.7万円で、札幌支店(45.8万円)の3分の1以下です
  • 冬の穴埋めにはなっていません ― 冬でも月182万円あり大きくは落ちませんが、金額が小さく、冬の谷はOB客と自社HPで埋めるしかありません
  • 売上は縮小しています ― 2026年上期は前年同期比-56%。主力のBIG札幌が3年続けて減っています

第21章-1 当社として大切にしたい5つの考え方▲ 先頭へ

このレポートの数字が教えてくれる、5つの考え方です。

図29
図29:当社が大切にしたい5つの考え方。
注意点4月の大きな工事(1,460万円)のような案件は、毎回出るわけではありません。スーモカウンターは2026年2月取扱い開始・最初の契約が4月と日が浅いため、続くかどうかの判断は2026年内の実績を見てから。マンション売上の減少(▲25%)は、原因を確認することをお勧めします。